最近テレビCMや広告でよく見る過払い金請求。
「払いすぎたお金を取り返しましょう」と言われ自分も取り返せるのでは?と思っている人も多いでしょう。
実際に過払い金の対象者は500万人以上おり、一人当たり82万円の過払い金があると言われています。
ただ過払い金についてしっかりと理解していないと自分が請求できるのかがわかりません。利息を必要以上に払ったのに取り返さないのは大変もったいないことです。
そこで今回は過払い金請求ができるかを元となる金利に関する法改正からしっかりと見ていきましょう。
目次
出資法のグレーゾーン金利撤廃が過払い金のもと
そもそも過払い金は出資法のグレーゾーン金利が撤廃されたことにより発生しました。このグレーゾーン分の金利を払っていた方にその分を請求できる権利が生まれたのです。
グレーゾーン金利とは利息制限法と出資法の上限金利の差
利息制限法も出資法も金利に関する法律なのですが、この二つの法律は金利額に差がありました。
利息制限法では金利は元本が10万円未満で年20%、元本10万円以上100万円未満が18%、100万円以上で15%と決められています。これは昭和29年から現在まで適用されている法律です。
一方で出資法には上限金利が29.2%と利息制限法以上の金利が記載されていました。そのため多くの消費者金融は出資法の上限である29.2%の金利を取っていたのです。
つまりグレーゾーンとは利息制限法では違反なのに出資法では許されていた金利部分のことを言います。
このグレーゾーン金利が法律変更により禁止に。
以下が金融庁の発表です。
法律上の上限金利が29.2%から、借入金額に応じて15%~20%に引き下げられます。
金融庁:貸金業法のキホン
そしてグレーゾーンの金利分が過払い金と言われるようになったのです。
過払い金請求とは
過払い金請求とは法改正により発生した過払い金を請求すること。これは裁判所によって当たり前の権利として認められています。
平成22年以前にお金を借りていた人が対象
平成18年に改正された出資法ですが平成22年6月18日に施行されました。そのためこの日までに利息制限法以上の金利を払っていた方が過払い金請求が可能な方です。
それまでにお金を借りていたとしても、利息制限法の金利で払っている方は対象ではありません。
過払い金請求はお早めに
過払い金請求の請求はできる限りお早めにすることをお勧めします。
過払い金は10年経つと時効になる
平成22年よりも前に利息制限法に定められた金利以上を払っていても10年以上経ってしまうと時効になります。
この時効は最高裁の昭和55年1月24日の判決で時効が10年と決められました。以下が判例文です。
商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである。
最高裁判例:不当利得金返還
この10年は完済した日から換算されます。2006年に完済をした方は2016年までに過払い金請求をしないといけません。
消費者金融が倒産してしまう前に請求しよう
2012年の時点で過払い金請求は15万4219件あったと言われています。
そのため消費者金融は多額の支払をし、財政が圧迫され倒産してしまう企業もありました。以下が実際に過払い金請求で多額の負債を負い倒産した企業の一覧です。
- 丸和商事(ニコニコクレジット・アイリス)【2011年4月倒産】
- 武富士【2012年7月倒産】
- クラヴィス【2012年8月倒産】
- アエル【2012年8月倒産】
- 日新信販【2012年11月倒産】
お金を借りていた企業が倒産してしまった場合戻ってくる過払い金は元金の3.3%になります。大手の企業であっても安心せずなるべく早く過払い金請求をしましょう。
過払い金請求は専門家に依頼するのが安心
実際に過払い金は以下の3ステップで取り戻すことができます。
- お金を借りていた貸金業者に取引履歴を請求
- 実際に払った金利と利息制限法に記載されている正しい金利を比べ過払い金を計算
- 貸金行業者に過払い金を返してもらう
以上のプロセスで過払い金は自分独りでも返してもらうことが可能です。
しかし貸金業者に過払い金を請求するのは素人には大変な交渉になるでしょう。時間や手間がかかりますし、安い和解金で解決させられることもあります。
やはり個人ではなく弁護士などの専門家に任せたほうが安心して過払い金を取り戻すことができるでしょう。
条件に当てはまっている方は過払い金を取り戻そう
以上過払い金について見てきましたが以下にもう一度請求ができる可能性がある方をまとめます。
- 平成22年6月18日までにお金を借りていた
- その際利息制限法に定められた以上の金利を払っていた人
以上の方は早めに過払い金請求をしなければいけません。
過払い金の時効が迫っている方が多く、現在では過払い金請求に関して経験豊富な弁護士事務所が数多くあります。まずは弁護士に無料相談を依頼しましょう。